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日陰の二次創作小説サイト。DOLLSで気ままに稼動中。
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桜澤×御子柴 シリアスSSです。

…タハー…。
難しかった…;;;
今迄で一番難しい話でした;

書き方を変えたせいも有るけど。
何より一番はテーマ。
自分の文才の無さは此の際置いといてね…(おいおい;)
台詞が矛盾してる部分が有ると思いますが、それは敢えてです;
だから余計に難しかった…。
人間誰しも矛盾した気持ちは持つと思うのです。
信じたいけど信じられない。とかとか。
それを出したかったケドね…(遠い目)

毎度の事ながら意味不明文ですが。
お読み頂けると嬉しいです。・゚・(ノД`)
更にコメントとか頂けると、嬉しくて失禁します。

ではでは。どうぞ~(´Д`)ノ












いつか さ――







ココではない 何処か――


二人、笑顔で抱き合えたら





スゲー幸せだろうなぁ…








そう思わねぇ?


…笑太――











『MOON EDGE』












「おい!」







「おい!時生!」




煌々とした月明かりに照らされ、アイツの 血に濡れた金髪が輝く。
見開いた灰色の瞳が、ギラギラと底光りしていた。


「止めろって!」


重い銃声。
地に伏した死刑囚に、無機質な銃弾が幾度も穿たれる。
その度に吹き飛ぶ肉片。


「時生!!」


飛び散る血飛沫。
響き渡る銃声。

足元に、赤黒い体液が溜まっていく。


「おい!やり過ぎだ!」


もはや人間とは思えない程…崩壊した死刑囚の死体。

それを見下ろしながら。
時生は、目の前の肉塊にひたすら銃口を向けていた。


「止めろって!」


今まで。
任務に夢中になり過ぎる所は有ったが…

今回は我に返るまでが長過ぎる。


何か――有ったか?


「時生!!」


呼びかけにも、こちらを見ようとしない。

焦点の合わない瞳。
抜け殻のような表情。

いや…
見ようとしないんじゃない。

俺の声が…


――聞こえて いない――?



「時生っ!!」


考えついた結果に、血の気が引いた。
咄嗟に、銃を握るその腕を掴む。


「…っ!!」

ビクリと震えるアイツの体。


「………」

月の光に照らされ、口元が微かな弧を描いた。


「…とき…お?」


再び呼びかける。

すると、アイツは緩慢な動きで振り返ると、わずかな笑顔を返した。

柔らかな…苦渋を残す瞳。
その顔には、疲労が色濃く浮き出ていた。

それでも。
やっと返ってきた反応に、強張っていた体から一気に力が抜ける。


「……はぁ~ッ……時生の…バカ…」

ぽつりと呟くと、手に温かな感触。
時生が、腕に掛けたままの俺の手を優しく握っていた。

「…笑太…」

微笑みを浮かべたその瞳は、いつもの穏やかなアイツのもの。
伝わる温もりが、冷えた心を暖めた。

「時生…大丈夫か?」

「…あぁ、ごめんな…。ちょっと…夢中になり過ぎたぜ」

「ちょっと所じゃねーだろ。」

「あはは、悪かったって。」

軽く戯れ合いながら、安堵に大きな溜息を吐く。
もう…好い加減にして欲しい所だ。


でも…


――良かった…。



――このまま アイツが





――消えてしまう気がして……





「今日は満月かぁ…」



「…?」


時生の呟きに、背を照らす月を見上げる。


冷えた外気で、冴え渡る夜天。
透明な闇に浮かぶ、七色の輪を戴いた白金の月。

月光が辺りを照らし出し、暗い路地裏が、闇色の鈍い光を放っていた。


「あぁ…綺麗だな」

呟き、未だに月を見るアイツに 視線を向ける。

瞳を細め、無表情に月を見上げる横顔。
月光が、精悍な輪郭を縁取る。
光に透かされた金髪が、白金色に輝いて見えた。

そんな長身の姿に見入っていると、アイツがふわりと振り向いた。


「笑太は……海外って行った事ある?」

「海外?」

「うん、そう。海外。」


「…いや、無いけど…」


問いの意味が解らない。
何故?と聞き返すと、アイツは微かに微笑んだ。


「この月はさ…地球の何処から見ても、同じ丸い月なんだ…」

「…?…あぁ」

当たり前だと言うように相槌を打つ。
そんな反応に、再び時生は微笑んだ。

「こんなにデッカイ地球なのにさ…」

「お互いがどんなに遠く離れた場所に居ても。この空とこの月だけは、同じもの。」

「……」

「それって。同じ感覚を…同じ瞬間を…共有出来るってことなんだよね。」

語りながら、クスクスと笑う。

「…ロマンチックだろ?」

そう呟くアイツの顔は、やけに穏やかで…。

何故だろう?
俺は、返す言葉も出ずにその横顔を見詰め続けた。


「――でも――」

「…?…」


ざわりと一陣の風が吹く。


「本当は違う。」

「…っ…」


風で雲が流れたのか、先程まで頭上に輝いていた月が身を潜めた。


「…共有なんて出来ないんだ。」


「時、生…」


俯いたアイツの顔に、闇が深まる。


「例えば今。この月を見ながら、俺達が殺し合い 戦争をしたとしても…」

「……」

「遠く離れた他の国。同じ月を見ながら、他の誰かは愛し合ってるかもしれない…」


「…同じ――地球の上…。」


同じ、人間なのにね…。

そう呟くと、時生は、再び俺へと視線を戻し微笑んだ。
何処か屈折した微笑み。


「愛し合い…殺し合う…」

「裏切られ…憎み合う…」


そしてまた…殺し合う。



「そうしてこの国は――何かを…得る のかな?」


そう言って月を見上げるアイツの顔は…
月光に照らされ、酷く美しく感じられた。


「いつかさ。ココではない国――」

「…?…」




「お前と…この月を見れたらいいよな~」



新婚旅行だ~とか言っちゃってさ…。

そう言って、時生は とても幸せそうに微笑んだ。








FIN.


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